「夢中で首を押さえた」 教諭殺人時効の男が陳述書
2006年09月25日10時50分
東京都足立区立小学校教諭だった石川千佳子さん(当時29)が78年に行方不明になり、26年後に他殺体で見つかった事件で、自首した男(70)が犯行状況などを語った陳述書の内容が分かった。男は、殺害を認め、遺体を遺棄した後の生活ぶりを明らかにしているが、遺族側は「妄想や弁解に満ちた内容で許せない」と憤っている。刑事事件は時効が成立し不起訴になったが、遺族が賠償を求め提訴。時の経過で民事上の賠償請求権が消えたかが争われた。東京地裁は26日、判決を言い渡す。
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陳述書は05年に男が手書きし、提出。男は「体調不良」を理由に法廷には一度も姿を見せなかった。
陳述書によると、男は北海道小樽市出身。高校卒業後、刑務官やタクシー運転手など職を転々とした。37歳だった73年に区立小の警備員に採用された。
〈弁当に睡眠薬を入れられ、有毒ガスをまかれるなど、小学校で教員たちから嫌がらせを受けた〉――男は陳述書でそう主張する。
78年8月14日夕。校舎の巡回中、1階給食室前の廊下で、プール当番の日直だった石川さんとぶつかりそうになった。
〈「こんなところで何をしているのだ」と近寄ると、バッグの様な物で私の顔を殴ってきた。払うとひっくり返り、大声をあげた〉〈こういう状況を作る目的で罠(わな)をかけてきたのではないか。処分されてたまるかと強い怒りが生じ、夢中で両手で首を押さえた〉
乗用車で遺体を自宅に運び、床下約140センチに埋めた。遺体は毛布とビニールシートに包まれ、ロープで幾重にも縛られていた。
〈遺体を埋めた和室の畳の上はよけて通るようにしたが、妻と一緒の時は不自然にならないように平静を装った〉
教員たちを殺して自分も死のうと考えたり、学校の来客が刑事に見えたりした。「石川さんの霊が見えた」ともいう。
〈催眠術の本を買い、自己暗示をかけた。「お前は何もしてない。恐れることはない」――。目を閉じて繰り返し、歳月がたつうちに事件をあまり思い出さなくなった〉
95年に警備員を辞めた。区画整理事業で周辺の民家が取り壊される中で男は最後まで立ち退きを拒んだが、04年8月21日に自首した。
男は自宅を有刺鉄線とトタン板で覆い、監視カメラも設置していた。
原告側は陳述書について「身勝手な弁解で信用できない」と主張。石川さんの弟の憲さん(55)は、男の主張する犯行の経緯について「自己中心的な妄想。反省のかけらもない」と話している。
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訴訟は、石川さんの母親と弟2人が男と学校を管理する区を提訴した。不法行為から20年が経過すると損害賠償請求権がなくなるという民法の「除斥期間」の規定が、刑事で15年(当時)の時効が成立した殺人事件にも適用されるかどうかが焦点になっている。
遺族側は、男が遺体の上で26年間も生活を続けたのは殺害行為と一連の不法行為だとして、「加害行為が終了したのは殺害時ではなく、04年8月の事件発覚時」と主張している。
一方、男は「遺体を山中に埋めるのと差異はない」、区は「単に土地上で日常生活をしていたにすぎない」などとして、殺害時に不法行為は終了したと反論している。
asahi.comより
20年も、暮らしていたのがすごいっ。
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