東証2部上場の「スルガコーポレーション」(横浜市)が取得した都心のビルを巡る弁護士法違反事件で、警視庁に逮捕された大阪市の不動産会社社長、朝治(あさじ)博容疑者(59)は、元暴力団組長の活動拠点として知られていた港区六本木のビルの再開発にも関与していたことがわかった。
このビルは、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部の不動産取引に絡んで詐欺罪に問われた元公安調査庁長官らも買収を計画していた。警視庁は、今回の事件の背景に、権利関係の複雑な不動産取引に暴力団が群がる構図があったとみて、六本木のビルの取引の経緯も調べている。
問題のビルは、約3800平方メートルの敷地に建物6棟が並ぶ通称「TSKビル」。六本木ヒルズと東京ミッドタウンの二つの超高層ビルを結ぶほぼ中間地点に30年以上前に建設され、かつては元暴力団組長が実質上経営する企業が所有していた。現在は再開発のため解体工事が終盤に差し掛かっている。
不動産業界がTSKビルに注目するようになったのは、このビルを活動拠点にしていた元暴力団組長が死去した2002年ごろから。増改築が繰り返された建物には未登記の部分が点在して所有権が複雑化し、再開発に伴う立ち退き料を見込んだ暴力団関係者らが居座るなどしたため、賃借権や抵当権なども次々に設定された。
関係者によると、06年7月になって千代田区の不動産会社が、競売で建物の大部分を約252億円で落札した。さらに昨年3月ごろには、落札されていない2部屋(計約190平方メートル)について、元公安調査庁長官、緒方重威(しげたけ)被告(73)(詐欺罪で公判中)らが転売を計画。朝鮮総連から詐取したとされる資金の一部を見せ金として2部屋の所有者側に示し、25億円の買い取り価格を提示したが、最終的に売買は成立しなかったという。
警視庁の調べでは当時、このうち1部屋の所有権を、朝治容疑者の親族が社長を務める大阪市内の不動産関連会社が所有。その後、この部屋はビル全体を買収した不動産会社に転売され、同庁は、この取引で朝治容疑者が多額の利益を上げたとみている。
暴力団による地上げの事情に詳しい都内の中堅不動産会社の幹部によると、権利関係が複雑な不動産には、立ち退き料を目当てにした暴力団関係者が居座り、立ち退きを交渉する他の暴力団関係者も、多額の報酬を得るというビジネスモデルが出来上がっているという。この幹部は「TSKビルは、所有権をまとめれば数百億円で確実に転売できる注目の物件。当時、地上げ屋や不動産ブローカーが入り乱れて利益をあさっていた」と指摘している。
(2008年3月4日14時41分 読売新聞)
暴力団てやっぱ一般人にも圧力かけてくるんでしょうか。
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